チョコレートの雑学
(日本チョコレート・ココア協会のホームページより抜粋)
チョコレートはカカオ豆を炒って、細かく磨り潰し、油分を取り出したカカオバターとカカオマスを主な原料として砂糖や乳製品を調合して作られます。
【1】チョコレートの歴史
【2】チョコレートを食べると太るのでしょうか?
【3】日本人はチョコ好き?
【4】チョコレートにつく虫
【5】カカオ豆の生産国
【6】チョコレートの保存方法
【7】バレンタインデー
【8】溶けやすいチョコレート
【1】チョコレートの歴史
チョコレートの歴史は古く、南米が原産で紀元前のマヤ文明ではすでに栽培食物となっていました。16世紀にヨーロッパに持ち込まれ、18世紀までは嗜好、薬用、強壮を目的とした飲み物でした。しかし、カカオ豆の半分ほどは油分(カカオバター)で油ぎった飲み物だったようです。
19世紀に入ってからカカオマスからさらに油分を取り除いたココアパウダーが作られるようになってからチョコレート飲料として定着し、現在のような食べるチョコレートが発明されました。
<チョコレートの効能>
カカオに含まれるポリフェノール成分(カカオ・ポリフェノール)にはいろいろな効能があります。 さまざまな病気やアトピー・花粉症などのアレルギーの原因といわれる活性酸素の働きを抑える、動脈硬化の進行を防ぐ、ストレスに適応、直中毒の細菌、虫歯菌などへの抗菌作用も明らかになっています。
チョコレートの香りが集中力や注意力、記憶力を上げることが人の脳波や学習実験から 確かめられましたが、チョコレートを食べたほうが、陸上競技の「ヨーイ〜ドン」からスタートの反応時間が短くなることも分かりました。
チョコレートはカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラル類が豊富に含まれた栄養バランスの良い食品です。特にカルシウムとマグネシウムのバランスがよいという特徴があります。一般にマグネシウム不足は心臓病の危険に通じるといわれています。
【2】チョコレートを食べると太るのでしょうか?
一般的にチョコレートを食べると太ると思われていますが、ほかの食品と同じカロリー分で比較してみると体重の増加や肥満の現象は現れず化学的根拠はないそうです。またニキビが出る、鼻血が出るといったことも迷信だそうです。
でも食べ過ぎの場合はほかの食品と一緒です。
【3】日本人はチョコ好き?
一人当たりのチョコレートの消費量を比べてみると日本は2.2kg。
ヨーロッパは軒並み何倍も多く食べているようです。
ドイツ |
11.1 |
オーストリア |
10.1 |
スイス |
10.8 |
ベルギー |
9.5 |
イギリス |
9.4 |
ノルウェー |
9.2 |
デンマーク |
8.7 |
フランス |
7.3 |
フィンランド |
6.9 |
アメリカ |
5.3 |
オーストラリア |
4.8 |
オランダ |
4.5 |
スウェーデン |
4.4 |
イタリア |
4.2 |
スペイン |
3.3 |
ギリシャ |
3.1 |
ポルトガル |
2.8 |
日本 |
2.2 |
ブラジル |
2.1 |
|
|
【4】チョコレートにつく虫
ナッツ類やほかの菓子類と同じようにチョコレートにも虫がつくことがあります。
お菓子につく虫は、どこにでもいることが多く、一般のご家庭にも棲息し、乾燥したお菓子や食品類につきます。
チョコレートにつく虫には、[ノシメマダラメイガ]・[スジマダラメイガ]や[コクヌストモドキ]などがあります。
[ノシメマダラメイガ]は、あらゆる食品に発生します。チョコレート、ナッツ類、ビスケットなどが大好物で、嗅覚がするどく、菓子や食品の臭いをたよって移動 します。包装のわずかなすきまから入ったり、チョコレートのアルミ箔やプラスティック フィルムを食い破って侵入します。
[コクヌストモドキ]は、穀粉や菓子類に発生が多い害虫です。
ココアにつく虫で代表的なのは、[タバコシバンムシ]という聞きなれない虫ですが、乾燥食品を好み、特に葉煙草に大きな被害を与えるのでよく知られているものです。
チョコレートは開封したら密閉容器に移し替え、早めに召し上がりましょう。
※ 直射日光の当たらない、涼しい所に保管してください。
※ 虫は極めて繊細なすきまから入り込みますので、保管・保存に十分な注意が必要です。
【5】カカオ豆の生産国
2006年の統計では世界のカカオ豆の生産量は合計で336万トン(お茶との生産量とほぼ同じ)でした。 そのうち、以下の7カ国で300万トンが生産されています。
コートジボアール(象牙海岸)がダントツに多く、世界生産量の約4割、日本でおなじみのガーナの2倍以上も生産しています。
コートジボアール |
1320 |
39.3% |
ガーナ |
550? |
16.4% |
インドネシア |
445 |
13.2% |
ナイジェリア |
200 |
6.0% |
カメルーン |
190 |
5.7% |
ブラジル |
170 |
5.1% |
エクアドル |
116 |
3.5% |
アフリカ合計 |
2355.6 |
70.1% |
中南米合計 |
454.7 |
13.5% |
アジア・オセアニア合計 |
547.5 |
16.3% |
世界合計 |
3,358 |
|
<日本のチョコレートのカカオ豆はどこから?>
日本のチョコレートは殆どがガーナのカカオ豆で作られているといえます。
ガーナはのカカオ農園は国営のため、他の生産国と比べると品質が安定しているのが理由だと聞きました。・・ということは、特徴に欠けるということ??
ガーナ |
38,359 |
69.00% |
エクアドル |
7,209 |
12.97% |
ベネズエラ |
4,522 |
8.13% |
コートジボワール |
2,325 |
4.18% |
カメルーン |
2,124 |
3.82% |
インドネシア |
339 |
0.61% |
トリニダッド・ドバゴ |
222 |
0.40%
|
ナイジェリア |
150 |
0.27% |
コスタリカ |
132 |
0.24% |
ジャマイカ |
87 |
0.16% |
その他 |
121 |
0.22% |
合計 |
55,590 |
|
<日本のチョコレートメーカーの数>
日本でチョコレートやチョコレート商品を作っている会社はたくさんあります。
でも、カカオ豆からチョコレートを作っている会社は10社に満たないほどです。
最大手の製菓会社と業務用チョコレートを専用に作っている会社です。
ほかのチョコレート会社は、大手製菓会社、業務用チョコレート製造会社、そして輸入チョコレートを使って商品を作っています。
当店もチョコレート商品は直接は作ってはいませんが、ナッツやチョコレートを選んで仕入れ、調合を決めて加工会社に委託して作ってもらっています。
【6】チョコレートの保存方法
チョコレートは高温(28℃以上)におかれるとココアバターが溶けて表面に浮き出し、その後冷えて固まるときに白く粉をふいたような状態になります。ブルーム 現象(ブルーミング)といってチョコレート特有のものです。こうなるとみかけも悪く、チョコレート本来の味も損なわれますが、食べても別に害はありませ ん。ブルーム現象をおこさせないためには、直射日光を避け、涼しい乾燥したところに保存しましょう。
● 保管状態のよいお店でお求め願います
● 直射日光に当てないでください
● 暖房のききすぎた部屋におかないでください
● 火のそばやストーブ、ヒーターなどのそばにおかないでください
※ 夏場に高温で柔らかくなったチョコレートを冷蔵庫に入れると、ブルーム現象が起きることがあります。
※ チョコレートがさらに高温にさらされると、ボロボロになったり、粉化状態になることもあります。夏場の車のダッシュボードなど、ご注意願います。
<ブルーム現象>
"さあ食べよう"とチョコレートを箱から出してみたら、表面が白く粉をふいたようになっていた・・・。これがチョコレートのブルーム現象です。チョコレートに 含まれているココアバターという脂肪分が高い温度にあって表面に浮き出して、冷えて固まるチョコレート特有の現象です。カビと間違えられることもありま すが、チョコレートは水分が少ないので、カビが発生することはまずありません。
ブルームの起きたチョコレートは、食べても害はありませんが、見た目も悪く、チョコレート本来のおいしさも失われています。
チョコレートのブルーム現象はどうして起きるのでしょうか。
チョコレートはココアバターという脂肪分がたくさん含まれています。このココアバターは28℃前後で溶けはじめ、さらに温度が高くなると、分離してチョコレー トの表面に浮き出てきます。これが冷えて固まると、ブルームになるのです。ブルームはチョコレートの新しい古いに関係なく、温度変化に対する保管状態が悪 いと発生するもので、暑いところに置かれたチョコレートの「汗のあと」というわけです。
【7】バレンタインデー
バレンタインは、3世紀のローマ人の司祭の名前です。
一説では、皇帝クラウディウス2世は、強兵策の一つとして兵士たちの結婚を禁止していましたが、これに反対したバレンタイン司祭は、皇帝の命に反して多くの兵士たちを結婚させました。そのため皇帝の怒りをかい、西暦270年の2月14日にバレンタイン司祭は処刑されました。後にバレンタイン司祭は聖バレンタイとして敬われるようになり、この2月14日の殉教の日をローマカトリック教会では祭日としているそうです。
当社聖バレンタインデーは司祭の死を悼む宗教的行事でした。14世紀頃からは若い人たちが愛の告白をしたり、愛の告白にふさわしいとしてプロポーズの贈り物をする日になったともいわれています。
「バレンタインチョコレート」
欧米ではバレンタインデーが女性から男性に対しての愛の告白に限らず、男性から女性への告白や、カードやいろいろな贈り物がその愛の告白の手段として使われますが、日本では、バレンタインデーは女性から男性へ愛の贈り物として、チョコレートを贈る習慣が定着しました。これはチョコレート会社の広告やハート型チョコの発売などの販売促進が、女性のこころを捉えて徐々に盛り上がり、今日のように盛んな行事になったようです。
そして、最近では「義理チョコ」「友チョコ」「自分へのご褒美」などと2月14日のバレンタインデーに関連したチョコレート商品の販売額は年間の総販売金額の12%にも達しています。
【8】溶けやすいチョコレート
一般的にココアバターが多く配合された高級チョコレートの方が溶けやすい傾向にあるといえます。 海外の暑い国ではチョコレートが溶けやすいと商品価値が落ちるため、ココアバターの代わりに融点が高い植物油を使ったりする傾向があります。
最近では口どけの良いチョコレートとして冬場限定商品が販売されたりしていますが、こちらのチョコレートは逆に融点が低い植物油を使用した溶けやすいチョコレートです。
<ホワイトチョコレート>
チョコレートは通常、カカオマス、ココアバター、砂糖、ミルクの4つの主な原料からできていますが、ホワイトチョコレートはココアバターを主原料としているので白くなっています。カカオマスが入っていないので苦みがなく、ミルクの味と色の白さが生かされているのがこのチョコレートの特徴です。